【遺産分割調停で解決】同居長男の使途不明金・賃料取得を主張し、希望のマンション取得と法定相続分を上回る代償金を実現した事例
70代 男性(次男)・他2名
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「亡くなった母の預金から、同居していた兄が多額のお金を引き出していたようだ」「母名義の不動産の賃料も、いつの間にか兄の口座に入っていた」——。親と同居していた相続人がいる場合、このような使途不明金や賃料の取扱いが、遺産分割の大きな争点になることは少なくありません。さらに、自宅マンションなど特定の不動産を複数の相続人が取得したいと希望している場合には、話し合いが一層難航します。
本記事では、相続人間でマンションの取得希望が競合し、かつ同居していた長男による預金の使途不明金・賃料収入の取り込みが疑われたケースについて、当事務所が遺産分割調停を申し立て、依頼者側の希望どおりの遺産取得と、法定相続分を基準とした想定額を上回る代償金の取得を実現した事例をご紹介します。
ご相談内容
母親が亡くなり、相続人は長男・次男・長女・三男の4名でした。母親名義のマンションについては、母親と同居していた長男が取得を希望していましたが、次男である依頼者も同じマンションの取得を強く希望しており、遺産分割の話し合いが平行線をたどっていました。
加えて、長男は母親の生前から母親名義の預金口座を実質的に管理しており、生前の入出金記録を確認すると、多額の出金があるものの使途を合理的に説明できない点が複数見受けられました。さらに、母親名義の不動産から発生する賃料が、相続開始前から長男の口座に入金されていた形跡もありました。
このまま当事者間の話し合いを続けても公平な解決は困難と判断された依頼者は、法的手続きによる解決を希望して当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所の対応
1. 遺産分割調停の申立て
次男(依頼者)・長女・三男の3名を申立人、長男を相手方として、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。申立ての段階で、マンションを依頼者が取得する方向で調整すべきこと、長男の特別受益や母親名義の預金の使途について精査が必要であることを整理し、争点を明確化したうえで手続を進めました。
2. 特別受益に関する主張
調停手続では、母親名義の不動産から生じる賃料収入を長男が継続的に取得していた事実や、母親から長男への金銭の流れが疑われる預金の出金について、通帳の取引履歴等の客観的資料を基に時系列で整理し、特別受益(民法903条)に該当する可能性のある支出・利益を具体的に主張しました。
3. 使途不明金の追及
母親名義の預金口座から多額の出金があるにもかかわらず、その使途が明らかでない点については、弁護士会照会や金融機関への取引履歴の開示請求等を通じて資金の流れを裏付け、長男に対して出金の目的・使途や、出金後の現金の管理状況を具体的に説明するよう求釈明を行いました。説明の合理性を欠く部分については、相続財産への組み戻しや、長男の取得分から減額調整すべきことを主張しました。
使途不明金の取扱いについては、遺産の使い込みのページでも詳しくご案内しています。
4. 調停における交渉
調停委員会に対しては、特別受益の持戻しと使途不明金の調整を前提とした遺産分割案を提示し、粘り強く交渉を重ねました。マンションの取得については、依頼者が取得することの具体的な必要性・相当性を、依頼者の生活状況等も踏まえて丁寧に説明し、調停委員会の理解を得ながら調整を進めました。
解決内容
調停手続を経て、依頼者らの希望に沿った内容で調停が成立しました。マンションは依頼者が単独で取得し、他の申立人である長女・三男も、法定相続分を基準に試算した場合の想定額を上回る代償金を取得する内容でまとまりました。特別受益・使途不明金に関する主張が一定程度反映された結果、申立人側にとって納得感のある解決を実現することができました。
担当弁護士からコメント
同居していた相続人が被相続人の財産管理を担っていた事案では、特別受益や使途不明金、さらには不動産の賃料収入の帰属といった複数の論点が同時に浮上することがよくあります。こうしたケースで重要なのは、感情的な主張に終始せず、通帳の取引履歴・賃料振込の記録といった客観的資料を時系列で整理し、どの事実が法的にどのような意味を持つのかを筋道立てて示していくことです。
本件では、マンションの取得希望が相続人間で競合していた点でも難しさがありました。不動産の取得を誰に寄せるかは、各相続人の生活状況や利用実態、代償金の支払能力など、多くの事情を総合的に考慮して決まります。調停委員会に対して、取得希望の根拠と代償金による調整の設計を丁寧に示したことが、依頼者側の希望に沿った解決につながったと考えています。
※本事例は、依頼者の特定を避けるため、事実関係を抽象化・再構成したものです。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 同じ不動産を複数の相続人が取得したいと希望しています。どのように決まりますか?
当事者間の協議で合意できない場合、最終的には家庭裁判所の調停・審判の中で決まります。一般的には、現在の居住・利用状況、その不動産を取得する必要性の程度、代償金の支払能力、その他の遺産との組み合わせによる調整の可能性などが考慮されます。希望する側が代償金を支払う「代償分割」や、不動産を売却して代金を分ける「換価分割」が用いられることもあります。
Q2. 親と同居していた相続人が、生前に親の預金から多額の出金をしていました。取り戻せますか?
出金の時期や性質によって取扱いが変わります。生前の出金であれば、特別受益(生前贈与)として持戻しの対象となる可能性や、不当利得・不法行為として返還請求の対象となる可能性があります。死亡後の出金であれば、他の共同相続人が、自身の相続分に対応する範囲で返還を求める方法が考えられます。いずれも、預金の取引履歴など客観的な資料の収集が出発点となります。
Q3. 相続開始前の賃料収入を、特定の相続人が取得していました。これは遺産分割で考慮されますか?
被相続人名義の不動産から生じた賃料を、生前に特定の相続人が取得していた場合、その性質によって、特別受益として持戻しの対象となるか、あるいは不当利得等として別途清算すべき問題となるかが変わってきます。いずれにせよ、入金記録・賃貸借契約・管理の実態などを総合的に検討し、主張の構成を組み立てる必要があります。
Q4. 遺産分割調停は、どのくらいの期間がかかりますか?
事案により大きく異なります。争点が限定的で資料が揃っている事案では1年程度で成立することもありますが、特別受益や使途不明金など調査を伴う争点が絡む事案では、1年以上を要することも珍しくありません。見通しについては、ご相談時に事案の内容を踏まえて具体的にお伝えします。
関連するご案内
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- 遺産の使い込みのサービスページ
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遺産分割でお困りの方へ
「同居していたきょうだいが親の預金や不動産の賃料を取り込んでいたのではないか」「同じ不動産の取得を希望する相続人が複数いて話し合いが進まない」——。このようなお悩みをお持ちの方は、早い段階で弁護士にご相談いただくことで、資料収集や争点整理の段取りを見通し良く進められることが少なくありません。
当事務所は、遺産分割調停の実務経験が豊富な弁護士が、預金取引履歴や不動産関係資料の精査から調停での交渉戦略の立案まで一貫して担当します。初回相談は90分無料・完全個室でお受けしております。遺産分割でお悩みの方は、下記の連絡先よりお気軽にお問い合わせください。
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