【遠方・疎遠な相続】財産調査から遺産分割協議まで代行し円満解決に至った事例
60代 男性(長男)
- 対応業務
- お困りごと
長年疎遠だった父親が遠方で突然亡くなり、どこにどれだけの財産があるのか、そもそも借金はないのか――。こうした状況で「何から手をつけてよいか分からない」とご相談にいらっしゃる方は少なくありません。仕事の都合で現地に何度も足を運ぶことが難しい方であれば、なおさらです。
本件は、遠方にお住まいだった被相続人の財産内容が全く把握できない状態から、弁護士が金融資産・不動産・証券・負債・遺言書の有無まで相続財産調査を包括的に行い、その後の遺産分割協議まで代理することで、疎遠な相続人同士が対立することなく円満に解決に至った事例です。
当事務所では、相続財産調査から遺産分割協議の代理までを一貫して担うことで、遠方の相続や相続人間の連絡が難しいケースでも、ご依頼者様の負担を最小限に抑えた解決を目指しています。
事例の概要
- 相談者属性:60代男性(被相続人の長男)
- 相続人構成:長男(ご相談者様)、次男、長女の3名
- 相手方との関係:長年疎遠だった兄弟(次男・長女)
- 遺産の概要:預貯金、実家の土地建物、山林、上場株式
- 主な争点:相続財産の全容把握、遠方・疎遠な相続人間の協議
- 解決手続:交渉(裁判外の遺産分割協議)
- 解決内容:相続人全員の合意により遺産分割協議書を作成し円満に解決
- 解決までの期間:約1年
ご相談内容
長年疎遠だった父親が遠方で突然他界され、ご相談者様は父親の財産内容が全く分からない状態でした。預金口座がどの金融機関にあるのか、不動産を所有していたのか、借金を抱えていなかったか――いずれも手がかりがありません。遺言書の有無も不明でした。
相続人は長男であるご相談者様のほかに、次男と長女がおり、計3名。いずれも父親とは長年疎遠で、兄弟間の連絡も久しく途絶えていました。遺産の全容が明らかでなければ分割協議を進めることもできず、かといって仕事の都合で何度も現地に足を運ぶことは難しい。途方に暮れたご相談者様が、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所の対応
1. 相続財産調査の実施
まず、プラスの財産・マイナスの財産の双方について、網羅的な調査を行いました。
預貯金については、被相続人の生活圏にある主要な銀行・信用金庫等に対して、残高証明書の発行請求を順次行いました。不動産については、被相続人の本籍地・住所地の市区町村役場で名寄帳(固定資産課税台帳)を取得し、法務局で登記事項証明書を取得して所有不動産を確認しました。
証券資産については、証券保管振替機構(ほふり)への開示請求により、被相続人名義の口座が開設されている証券会社を把握し、各証券会社に残高を照会しました。
負債の調査としては、信用情報機関(CIC・JICC・KSC)への開示請求を行い、銀行・信販会社・貸金業者からの借入の有無を確認しました。これらの機関では、法定相続人であれば所定の書類を揃えることで被相続人の信用情報の開示を受けることができます。
遺言書の有無についても、公証役場の遺言検索システムを利用して公正証書遺言の存在を確認したほか、法務局の自筆証書遺言書保管制度への照会も行い、遺言書が残されていないかを調べました。
2. 相続人調査
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍を弁護士が職務上請求で収集し、相続人を確定しました。収集した戸籍資料をもとに相続関係説明図を作成し、相続関係を一目で把握できる形に整理しました。戸籍収集はご相談者様にとって煩雑な作業ですが、弁護士が代行することでご負担を大幅に軽減しました。
3. 調査結果のご報告
一連の調査により、被相続人の遺産の全容が明らかになりました。預貯金は複数の金融機関に分散していたこと、実家の土地建物のほか利用のない山林を所有していたこと、上場株式の保有があったこと、そして負債はなく、遺言書も作成されていなかったことが確認できました。調査結果は財産目録として整理し、ご相談者様にお渡しするとともに、今後の遺産分割協議の土台としました。
4. 遺産分割協議の代理
調査完了後、ご相談者様からは引き続き他の相続人との遺産分割協議についてもご依頼をいただきました。長年疎遠だった兄弟に直接連絡を取ることはご相談者様にとって精神的な負担が大きいため、弁護士が代理人として次男・長女に書面で連絡を取り、財産目録を共有したうえで分割案を提示しました。
各相続人の希望を丁寧に聴取し、不動産の取扱い(誰が実家を取得するか、山林をどうするか)や、預貯金・株式の分配方法について調整を重ねました。最終的には相続人全員の合意に至り、遺産分割協議書を作成・取り交わすことで、円満に解決しました。
解決のポイント
1. 預貯金・不動産・証券・負債・遺言書を網羅的に調査
プラスの財産だけでなく、負債(信用情報機関への開示請求)や遺言書の有無(公証役場・自筆証書遺言書保管制度)まで含めて網羅的に調査することで、後から「知らなかった財産や借金が出てきた」というリスクを避け、安心して遺産分割協議に進める状態を整えました。
2. ご依頼者様が遠方に行く必要がほぼなかった
金融機関への残高証明請求、役所での名寄帳取得、法務局での登記事項証明書取得、公証役場への照会など、現地での手続きが必要な調査はすべて弁護士が代行しました。ご相談者様ご自身が現地に足を運ぶ必要はほぼなく、仕事を休まれることなく手続きを進めていただくことができました。
3. 相続人同士が直接やり取りせずに済む体制を構築
長年疎遠だった兄弟間の直接交渉は、感情的な衝突を招きやすく、まとまるものもまとまらなくなることがあります。弁護士が代理人として間に入ることで、冷静で事務的なやり取りが可能となり、結果として協議が円滑に進みました。
4. 調査から協議・協議書作成までワンストップで対応
相続財産調査と遺産分割協議を別々の専門家に依頼すると、情報の引継ぎや連携に時間と手間がかかります。当事務所では、税理士・司法書士とも連携しつつ、一つの窓口で調査から協議・協議書作成までを通して担当するため、ご相談者様の負担を最小限に抑えられました。
担当弁護士からのコメント
被相続人と疎遠だった方にとって、相続で最初にぶつかる壁は「どこに何があるか分からない」ということだと日々の相談で実感しています。預貯金は複数の金融機関に分散しているのが通常ですし、借金の有無は信用情報機関に照会しなければ判明しません。遺言書の有無も、公証役場や法務局の保管制度を確認してはじめて分かります。
本件では、被相続人の生活圏を手がかりに金融機関を絞り込んだうえで、不動産・証券・負債・遺言書まで一通りの調査を組み合わせたことで、遺産の全体像を早い段階で把握することができました。全体像が見えると、相続人同士の話し合いも事実ベースで進めやすくなります。疎遠だった兄弟間の協議が大きな対立に発展せずに済んだのは、財産目録という共通の土台があったからだと感じています。
遠方で、かつ相続人同士の関係が希薄なケースでは、誰かが「調整役」を引き受けなければ手続きが止まってしまいがちです。そうした場面で、弁護士が代理人として間に入ることの意義を改めて感じた事案でした。
※本事例は、依頼者の特定を避けるため、事実関係を抽象化・再構成したものです。
よくあるご質問
Q1. 被相続人がどの銀行に口座を持っていたのか全く分かりません。調査できますか?
被相続人の生活圏にある金融機関を手がかりに、個別に残高証明書の発行請求を行う方法が基本となります。通帳やキャッシュカード、郵便物(金融機関からのお知らせ等)、確定申告書の控えなどが残っていれば、口座の手がかりになります。弁護士が代理人として金融機関に照会することで、ご相談者様が金融機関を回る必要はありません。
Q2. 父が借金をしていたかどうかを調べる方法はありますか?
信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に対して、法定相続人として開示請求を行うことで、銀行・信販会社・貸金業者との取引履歴を確認できます。3機関で加盟会員が異なるため、借金の全容を確認したい場合は3機関すべてへの開示請求が安全です。個人間の貸し借りなどは信用情報機関では確認できないため、郵便物や手帳の記載なども併せて確認します。
Q3. 遺言書が残されているかどうかを調べる方法はありますか?
公正証書遺言については、全国どこの公証役場でも「遺言検索」を利用して、被相続人名義の公正証書遺言の有無を照会できます。また、自筆証書遺言については、法務局の自筆証書遺言書保管制度に預けられている場合があるため、法務局に対して遺言書保管事実証明書の交付請求を行うことで確認が可能です。自宅保管の自筆証書遺言については、物理的に探すしか方法がありません。
Q4. 相続財産調査だけを弁護士に依頼することはできますか?
可能です。相続財産調査のみをご依頼いただき、調査結果の財産目録をもとにご相談者様ご自身で分割協議を進めていただくこともできます。一方で、協議の途中で相続人間の意見が対立した場合や、疎遠な相続人への連絡が難しい場合には、そのまま協議の代理までご依頼いただくケースもあります。
Q5. 財産調査から協議まで、どのくらいの期間がかかりますか?
ケースによって異なりますが、金融機関への照会や戸籍の収集、信用情報機関・公証役場への照会などを並行して進めると、相続財産調査自体は数か月程度で完了することが多くなっています。その後の遺産分割協議は、相続人の人数や争点の有無によって期間が変動します。本件のように争いのない事案では、調査から協議完了まで半年程度で解決に至るケースもあります。
関連するサービス
疎遠な親の相続でお悩みの方へ
長年疎遠だった親御様が亡くなり、財産内容も借金の有無も分からない――そんな状況で、仕事や家庭の事情から現地に何度も足を運ぶことが難しい方は少なくありません。遺産分割協議の前提となる「財産の全容」が分からないままでは、相続人間の話し合いも始められず、時間だけが過ぎていきます。
静岡城南法律事務所では、預貯金・不動産・証券・負債・遺言書の有無まで網羅的に調査する相続財産調査のまるごと代行に加え、調査後の遺産分割協議の代理までをワンストップで対応しています。税理士・司法書士との連携により、調査から名義変更・相続税申告までの流れを見据えたご提案が可能です。初回のご相談は90分無料・完全個室で、じっくりお話を伺います。下記の連絡先より、お気軽にお問い合わせください。
この事例と関連する取扱業務・料金表
初回面談は90分無料です
まずはご相談してみませんか?
24時間受付LINEやメールで、
直接弁護士に
ご相談いただくことも可能です



